八十八夜の意味・由来・語源・歴史は? |
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「夏も近づく八十八夜〜♪♪」として知られる「八十八夜」という
言葉ですが、この「八十八」という数字にはどんな意味が込められている
のでしょうか?早速、「八十八夜」に関する疑問をまとめてみる事にしました。
@八十八夜って何日の事?
八十八夜とは、雑節(ざっせつ)の1つで、立春を起算日(第1日目)として
88日目、つまり、立春の87日後の日の事を指します。
毎年、5月2日頃が八十八夜となります。
雑節とは、五節句・二十四節気以外の季節の変わりの
目安の日の事を言います。
※雑節には、節分、彼岸、社日、八十八夜、入梅、半夏生、
土用、二百十日、二百二十日の9つがあります。
※立春とは・・・二十四節気の第1番目にあたります。
毎年、2月4日頃が立春となります。
※二十四節気とは・・・1年中で1番昼が長い日を夏至、
短い日を冬至としてそれを基に季節を24等分します。
※五節句とは・・・唐時代の中国の暦法で定められた季節の
変わり目の事を言います。
五節句には、1月7日(人日の節句)、3月3日(上巳の節句)
5月5日(端午の節句)、7月7日(七夕の節句)、9月9日(重陽の節句)
の5つがあります。
A八十八夜って言葉はなぜ生まれたの?(歴史・由来)
昔、農業に従事する人は中国の戦国時代(紀元前403年-紀元前221年)
に作られた二十四節気をもとにしながら農業を行っていました。
しかし、二十四節気だけでは十分に季節を読み取れなかった為、
日本独自の暦である雑節を考案しました。
また、「八十八」という数字が生まれた理由には、
@「八十八」という数字を組み合わせると「米」という漢字になる
事から、農業を従事する人達から特別の日とされてきた事。
A「八十八夜の別れ霜」という言葉にあるように
冷害を回避する目安であった事。
B「夏も近づく八十八夜〜茶摘みぢやないか」とあるように
茶摘を始める目安であった事。
から「八十八夜」という言葉が生まれました。
ちなみに、八十八夜は、1656年の伊勢神宮で刊行した伊勢暦に
はじめて記載され、1686年の暦に正式採用される事となりました。
B八十八夜という言葉を使った言葉・歌について
八十八夜の別れ霜とは・・・
立春から88日目。八十八夜(5月2日頃)に降りる霜の事を言います。
この季節の最後の霜で、これ以後は降りないとされています。
「夏も近づく八十八夜〜♪」について・・・
この歌は『茶摘み』(ちゃつみ)という名前の歌です。
1910年(明治43年)〜1944年(昭和19年)にかけて文部省が
編集した小学校・中学校・高校向けの楽曲の中の1つです。
作詞者・作曲者ともに不明ですが、京都府綴喜郡宇治田原村に
伝わる茶摘みの歌から生まれたのではないか?との説があります。
歌詞は、以下のように茶摘みを催促するようなものとなっています。
1、夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る
「あれに見えるは茶摘みぢやないか あかねだすきに菅(すげ)の笠」
2、日和(ひより)つづきの今日このごろを 心のどかに摘みつつ歌ふ
「摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ 摘まにゃ日本(にほん)の茶にならぬ」
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