皆さんは、「暑さ寒さも彼岸まで」という日本の慣用句を
聞いた事はありませんか?この彼岸という言葉ですが、
期間や意味や名前の由来はどうなっているのでしょうか?
早速、彼岸に関する身近な疑問を調べてみました。
※慣用句とは・・・習慣として長い間、広く使われて来た言葉の事をいいます。
@彼岸はいつからいつまでなの?(彼岸の期間)
彼岸は「昼と夜の長さが同じになる日・
太陽が真東から昇り、真西に沈む日」である
春分の日(3月20日〜21日頃)の
前後3日を合わせた7日間と
秋分の日(9月23日頃)の
前後3日を合わせた7日間の
合計14日間の事を彼岸と言います。
では、なぜ彼岸は各7日間なのでしょうか?
それは鎌倉時代の仏教の僧である日蓮(1222年-1282年)の御遺文、
『彼岸抄』の影響を受けていると考えられています。
『彼岸抄』の中には、「それ彼岸とは春秋の時節の七日、
信男信女ありて、もし彼の衆善を修して
小行をつとむれば、生死の此岸(しがん)より
苦界の蒼波をしのぎ、菩提(ぼだい)の彼岸に至る時節なり。
故にこの七日を彼岸となづく。」との記載があります。
日蓮の教えから彼岸は各7日間となったんですね。
※此岸とは・・・仏教において、彼岸に対比される世界をいい、
私たちが住んでいる現世のことを言います。
※菩提とは・・・仏様の悟り(心)の事を言います。
A彼岸の語源・歴史はどうなっているの?
彼岸の語源はサンスクリット語である
param(パーラム・煩悩を脱した悟りの境地)
からきています。仏教の開祖である
釈迦(紀元前463-383年)の時代、サンスクリット語は公用語
として使用されていました。日本では平安時代、政権の争いが長く続き
その不安から1052年に仏の教えが消滅してしまうとの
「末法思想」が広まり、信者達は現世で報われないなら
死んでから極楽浄土(幸福にみちみちている世界)
にいけるようにと願うようになりました。
太陽が真西に沈む春分の日、秋分の日は
太陽や祖霊信仰に相応しいとの考えから、
彼岸(煩悩を脱した悟りの境地)という言葉が生まれ、
春分の日、秋分の日とその前後の日の事を彼岸と
呼ぶようになり、太陽信仰やご先祖様の成仏を祈る行事
が行われるようになりました。 |